「空白」

 

乾いた秋の朝

よく晴れた青空

穏やかな空白

残して家を出たよ

 

鮮やかに色づく

枯れ葉が音を立てる

美しすぎる日に

二度と戻らなかった

 

どれだけ苦しい思いだった

 

呼吸を止めた君の

ひたいに触れてみた

たしかにここにある

たしかにここにいない

 

けんかばかりだった

幼い君の顔は

かわいらしいことが

うらやましかったよ

 

目先の感情

捉われては

言葉にならない

気持ちに背を向けてた

空白が現れて

はじめて気がついた

 

いなくなった夜中

浅い眠りの中

子供の笑い声

窓の外響いた

 

言葉少なくって

意地っ張りな君が

不器用に残した

無音の空白