2005-01-01から1年間の記事一覧

手紙

懐かしい君はいつの間にか大きな道の真ん中を歩いてる わたしは今でも大通りのはしっこをゆっくり歩く 道草を食ったり たまに通りを外れてみたり 行く先に迷って立ち止まったり いつだってそんな調子 いいとか悪いとかじゃなく それぞれの道をただ進んだだけ…

流れ星

真夜中近く 寒さに縮こまりふるえながら 自転車をこぐ 夜空をちらちら見上げてたら 星が1こ流れて消えた イヤホンから聴こえてたのは「ナイトクルージング」 日々はきっと こんな ありきたりで特別な一瞬の積み重ね

世界 瞬間 記憶

友だちとお昼を食べてのんびり過ごした帰り道 だらんと自転車をこいでたら 西の空のきわは山吹色の夕やけに染まって 富士山のシルエットがくっきり見えて その上には三日月も浮いていて 地平に沿った夕やけのグラデーション 上空の浅い紺色 月の放つまっすぐ…

hot fun in the funny face

くしゃっとなる笑顔が好きで 君がこの世に存在して その笑顔が現れる できるだけ多くの瞬間を そばで見ていられたら素敵だろうな これが多分いとしいという気持ち 神様は優しくて残酷

夕空の紅が目に染みて

秋晴れの休日 完璧な一日 君さえそばにいてくれたなら このまわり道全て 君に出会うためだったって 言ってしまいたくなるよ

吐き出したくてならないのは 決して実らない種 叶わない夢の固まりに似てる けど違う 希望は最後の最後まで手のひらにぎゅっと握って離さない

秋は深まる

そろそろ金木犀の季節もおしまい 淡い残り香が 長雨で湿気をたっぷり吸いこんだ 重い空気に溶けて 甘やかに匂う 帰り道の薄い闇 ちょっと肌寒い 缶のコーンポタージュとか買いたい 現実は情け容赦なく降り注ぐ たとえ頭がいかれてても 声が君に届いてなくて…

サヨナラ夏

見上げると 青い空と濃い緑 足元には光と影 ひたすらに強い陽射しは 夏の名残 乾いた風には秋の匂い とどまらない季節と 挨拶を交わすよ

ロケンロー

うたが好きだ 歌詞というより詩に近い言葉 他の誰とも違う特別な声 形を持たない目に見えない「なにか」を かたちとして伝えてくれる

散歩遊泳

用事を済ませた午後3時半 地図を持たずに知らない街を歩き始めた ところどころでおおよその場所を確認しながら 気の向くまま道を行く 冴え冴えとした気分は指の先まで行き渡り 目に入る風景が胸のうちでどんどん尖ってゆく このひろびろとした孤独は 私だけ…

9月ユラ

夏のさなかに どこか遠く夢の中に置き忘れた心の切れはしが しぶきになって突然空から降ってきて ささくれ立ったさみしい気持ちをやさしく湿らせてくれたのは 月の明るい晩の出来事

マーブル

笑いかけてくれた そのことだけで 日を追うほどに切なくなって 真夜中のコーヒーと本とCDと冷やりとした空気と虫の音に 持て余した想いがゆるり溶け出す どこへも行けない けど どこへでも行ける きっと僕ら今日も夢のトンネルですれ違ってるから

ガーゼ

そっとガーゼをはがすと 体液とぬり薬が混じり合ってくっついてパリパリに固まっている 傷はほとんど治りかけ 完全に癒えるのは時間の問題 ここまで来たら 十年くらい前の私だったら もう沖へと泳ぎ出していたかも ちょっとくらい海水にしみても我慢して な…

思いがけずふわっと温まった右の手のひら 夜の電車の窓は車内の光景を無遠慮なまでに明るく映し出す 窓ガラスに顔を寄せて一人見上げる都会の曇り空に 思いきり右手を伸ばせば雲だって掴めそうな気がしたんだ

ナツヤスミ雑感

説明できない 両手に抱えて立ちつくす 頬をつたうのは涙じゃなくて汗 見つけたのは波に洗われた色ガラス わたしだけの たいせつな 夜中にも止まない蝉の声 蚊取線香の灰がこぼれて床を白くする 匂いや音は記憶を揺さぶり いくつもの遠い夏がビーズ細工のよう…

パズルのピース手さぐりでかき集める 探していた一片を見つけるまで続けよう なんもかんも放り出して逃げてしまいたくなったり いとおしく思ったり 左右にぶれて定まらない心から目を背けない いつか針の止まる日には 記憶のカケラだけ箱の中に大事にしまっ…

グッドモーニング

狭く開いたカーテンのすきまから外を眺める 今朝も いつもと同じ風景 毎日違う景色 それを見つめる自分の中での立ち位置は永久不変で 他の誰とも分かち合えない 本当はね 「死ぬほど楽しい毎日なんてまっぴらごめんだよ」 雨が降っている

のび

仕事が休みの日の午前中に 部屋でごろごろしているとたいていクロがやってきて、 我が物顔で布団を占領しはじめます。

破片

君の肩越しに 君の孤独を のぞきこみたくて 君の指先に 君の自由を 見出したくて 君の言葉に 君の心を

片目が腫れふさがったままずっと 生きてきたんだ あの夏から 奥行きのつかめない 遠近感のない世界で 手を伸ばすことも忘れ 臆病なカタツムリみたいに のろのろと這いつくばって 君の声に一心に耳を澄ませていたら 胸の奥からふいに 忘れてた言葉が こぼれ落…