梅雨、夕方、雨上がり
降りに降った雨は唐突に止んで
外は明るくなり
雲の切れ目からのぞいた青空は
胸のすくような
甘いような
色で
歩きながら見上げたら目が離せなくなった
総天然色の蒼いあおい空。
そこいらの花や緑も
まるで何かの冗談みたいにそろいもそろって色鮮やかで
吸い込んだ空気はしゃきっとおいしくて
黄梅の匂いさえ瑞々しいのだ
なんだか
大気中のちりやほこりと一緒に
心にうっすらとふり積もっていた屈託まで洗い流されて
浄化されたような
すうっとした気分になった
いっとき
世界が虹になったみたいだった
忽然と現れた美しさを前にして
抱いた感情をあえて言葉にするならば
「神様にありがとう」