空のこと

いつだって空を見上げてそこに青空や雲や月や星なんかを確認するとほっとする
窓や建物に切り取られた小さい欠片でも構わない
人工物に取り囲まれた日々の暮らしのなか
視覚をつうじてかろうじて天然を呼吸する
水面で口をぱくぱくする酸素不足のサカナのように


地上のあれこれは絶えず移ろい入れ替わるけれど
空はいつでも私たちの頭上に常に存在していてくれる
どうやったって測りきれない大きさで
刻一刻と違う表情をたたえつつ


どこまでも遥かに遠く
心の距離はとても近しく
誰のものでもなく
惜しみなく
ただ そこに