凪と波、海岸線のようなところ

2人のあいだでゆるゆる育ちゆく気もちの隔たりを
なんとなく受け流しつつ
日々は淡々と過ぎゆく
けれども
単純に淋しくなったり、自分のエゴに嫌気がさしたり、来し方を後悔したり、
そんなとき
ふいに波に足元をすくわれたみたいになる
やけに心もとない


(いっそ転んでびしょぬれになってそのまま泳いで沖へ戻ろうか
 手放しであのひとの元へ帰れるのなら)


いつのまにかこんなところに一人たどりついていた


(海草かなんかみたいに海岸に打ち寄せられて
 そのままよろよろとあたりをうろついて)


過去と未来を夢想しつつ今日も渚を行ったり来たり