エアポケット

家人も猫も寝しずまった夜ふけ
CDをかけて布団にくるまって
これまでに何度も読んだ本の頁をめくる
足にふれる毛布のやわらかな感触
慣れ親しんだストーリーをなぞる
落ちついた色の明かりと低く流れる音楽が
部屋の空気をゆるくあたためる
今ここには
焦りも
不安もなくて
流れの止まったみたいな空間
ぼうっと身をひたす
そうしていられることのしあわせとか はかなさ とか
遠くから見るような気もちで
ふと目を凝らしてみたり
午前2時の一歩手前