旅の朝

まだ普段の生活圏内にいるのに
旅の時間はもう始まっていて
目に映る景色は既に非日常のそれ
浮ついた足元がどことなくくすぐったいような
車窓が四角く切り取った夜明け前の蒼い街並に見とれ
開いたドアから流れ込む早朝の空気が顔を撫で
昂揚した気持ちはいくつもの旅の記憶まで呼びさまし
ちょっともの悲しくもなる