旅の味

父からのメール(一部抜粋)
おばあちゃんが、あなたの梅ジャムについて一言「美味しい」といいました。けなす名人で褒めるのがまったくできない人なので、この一言は最大限の賛辞です。私のエグイバージョンはぼろくそに言われています。

平松さんが旅先で出会った様々な雑貨や食べ物についてのエッセイ。モノに対する、尽きることない愛情とこだわりが伝わってきます。好きこそ物の上手なれ、とは意味がちょっと違うけど、そういうことだなーと。写真は日置さん。
旅といえばやっぱり、99年にカナダに行った時のことを思い出す。あの7ヶ月は本当にいろいろあって、大変な目にもあったし、周囲に迷惑もかけたけど、行ったことについては全く後悔してない。大切な思い出。
はじめにバンクーバーで2ヶ月ホームステイしながら語学学校に通った。暇を見てはバンクーバーの街中を1人ほっつき歩いた。バンクーバーにはスタバやそれに類するコーヒースタンドが日本の都心におけるコンビニと同じくらいたくさんあって、日本円に換算して缶ジュース1本と同じくらいの値段でトールサイズのコーヒーが飲めたので、毎日のようにどこかしらで飲んでいた覚えがある。ちょっとした贅沢。大抵そういう店には焼き菓子が置いてあって、そこで出会ったのがキャロットケーキ。日本でよくお菓子作りの本に載ってるようなタイプとは違い、サラダ油系の油脂でさっぱり焼き上げたスパイシーなケーキ生地には、レーズンやナッツ類がたっぷり混ぜ込んであって、クリームチーズみたいな濃厚な味のクリームがトッピングされていて、その組み合わせにすっかりやられてしまった。
あと、ドラッグストアのレジ脇なんかによく置いてあった、白ゴマを飴で固めただけのお菓子も好きだった。マッチ箱を縦にちょっと伸ばしたくらいの大きさで、厚さは5ミリ弱といったところ、それが3枚1袋で売られていたっけ。懐かしいな。