しんしんしん

miyamya2008-02-12

先週の土曜日はなんだかちょっと不思議な日だった。

遅番の朝、いつものように家を出て団地1階のポストの前を通り過ぎるとき、ふと、ポストの中身が気になってちらっとのぞいてみたら(普段はまずそんなことしない)、案の定というべきか、私宛てのメール便が届いていた。自分の動物的勘に我ながらびっくりだ。なんの変哲もない茶封筒に、何か物体が入っていて、差し出し人はどこにも書かれていない。宛名は手書き。気になったけど時間に余裕がないのでカバンの中にぽいっと突っ込んで、自転車で急ぐ道すがら、誰から何が送られてきたのかあれこれ想像を巡らしてみたけどさっぱり見当がつかなくて、駐輪場に自転車をとめて歩きながら気ぜわしく封筒を手で破って空けてみた。中にはiPodの充電器が入っていて、おそらく仙台の弟が気を利かせて送ってくれたんだろうとわかったけど、なんとも間の悪いことに、ちょうど前日、わたしは某量販電気屋のポイントでまさにiPod用充電器を入手したばかりだった。弟も勘が良いんだか悪いんだか。でも何か、距離を超えて心が通じたような気がしなくもないし、想像を巡らす間、すごくわくわくした。

そして夜6時をすぎる頃、年に数回あるかないかというレベルの珍事件が勃発。いわば「狂犬に噛まれた」類の出来事で、こちらにも反省すべき点がないとは言えないが、絡んできた相手の質がとにかく最悪だった。そのせいで帰り時間も普段よりいくらか遅くなり、さんざんな気分、しかも雪が積もり始めていたので自転車は置いて歩いて帰ることに。せめてMDかiPodを持ってくるべきだった、全くなんて日だ、と思ったのは束の間のことで、タワレコの黄色いビニール傘(置き傘)を差して、天から気前良く降ってくる雪をじーっと眺めて、スニーカーでまっさらな雪の上に足跡を残して歩くうちに、すぐに上機嫌になった。水分が多くなくて粒の大きいふわっとした雪がどんどん積もる、ひさしぶりに見るわたしの一番好きなタイプの降雪で、休日の夜は人も車もまばら、やわらかく積もった雪をきゅっきゅっと踏みしめる感触にうっとりし、そんな中を歩ける幸せを噛みしめ、公園の木の枝を雪が白くびっしりと縁取る様子に見惚れる。これは温かい肉まんでも食べながらお酒を飲むしかないでしょう!と勢い込んでコンビニに立ち寄る直前、そうだ、と思って弟に電話。事情を話すと「それ今聞きたくなかった〜」とうめく弟。説明しない方が親切だったか・・・とにかく笑いながら感謝の意を伝えて電話を切った。しかしコンビニの肉まん類は全て品切れ、仕方なくシークワーサー味の缶チューハイを飲みながら、それでもご機嫌で歩く。一面の雪景色が何よりのつまみ、といっても腹は減っているので、遠くのコンビニまで足を延ばそうか、などと内心あれこれ画策。あてにしていた持ち帰りの焼き鳥屋はやはり閉まっているし、その並びの宅配ピザ屋の前では宅配のお兄さん3人のうち1人がつるっと足を滑らせて楽しげに笑っているところ、もし仮にピザを買えたとしてもかじりながら歩くのは三十路女子としてあんまりな姿だよな、となどと思いつつ通り過ぎたすぐ隣の飲み屋さんの小窓からカウンターの女性客2人の姿が見えた。土曜日だけどこんな雪の日に混んでるはずもないし、熱燗でも飲んであったまって帰ろうかな(それにちょっと時間を潰したら帰り道はさらに積もってるかも・・・!)と思い切って入ってみたら、これが当たりだった。そんなに安くはなかったけどお酒の種類がたくさんあって、おいしくて、何より店員さんが感じよかった。熱燗の他に冷酒まで頼み、ぼーっとしたり、おしゃべりしたりして、小一時間たのしく過ごす。店員さん2人に見送られて店を出ると、残念なことに雪は多少小降りになっていたけど、すっかり酔ってふわふわした気分で歩き、子供の背くらいの高さのあるブロック塀の上に小さな雪だるまを作り、携帯で写真を撮りまくり、そして近所のスーパーでさらにカップ酒まで購入、家に帰り着いたら母を相手に今日の職場での事件や某ミュージシャン再逮捕などについて、思いつくまま酔っ払いトークを繰り広げたのでした。もちろん顔も洗わず歯も磨かず服だけ脱いで布団にもぐりこんで爆睡。

    

翌朝「飲みすぎは体によくないけど、でもあんたああやって酔っ払っていろいろ話すとけっこう面白いわね」と母に言われた。そんな日でした。長文失礼しました。