「soundless」


うつむいた夜に
残された言葉
指でたどっては
あてどなく思い巡らす


知らない後ろ姿に
何度も記憶なぞる


秋の花の
匂い胸が詰まる
そっと願う
いつまでも憶えていたい


空の向こう岸
浮かんでは消える
夕暮れの影を
追いかけて一人歩いた


きっと ずっと 一緒にいられた
そんなふうに思い止まず


雪の積もる
夜は耳を澄ませる
わたしたちの
残した聞こえない音


きっと ずっと


時は過ぎて
いつか思い出せなくなる
わたしたちの
残した聞こえない音


空の果てに
遠く響く