四日三晩

仕事休みの木曜日、好きな作家(屋上や踏切の好きなあの人)のトークショーに友達のTさんと足を運んだ。会場の某酒場はとても好きな店、雰囲気があって安くて美味しい。トークショーはゆるゆるで、作家と写真家が談笑するのを皆聴いてるような聴いてないような、軽くざわついた店内で飲み食いしゃべる。その場にいたほとんどは業界の人や直接のお知り合いのようだったが、作家さんはトークの合間に私たちにも気さくに声をかけてくれて、サインにも応じてくれた。文章と同じく気どりのない人柄で、きめ細やかな気配りのできる方、なおかつ、どこか浮遊感のある軽やかな足取りで現実にクールに対処しているような感じに、あこがれを新たにする。瓶ビールと焼酎水割りを数杯、心地よい空間と時間にほろほろ酔って、うっかり終電を逃した。でも帰りのタクシーの運転手さんと気分よくおしゃべりできて楽しかった。

一日空けて土曜日の夜、仕事帰りに友達のtさんと飲んだ。何度も何度も一緒にライブを見たけれど、飲むためだけに会うのはこれが初めて、某横丁のナイス居酒屋のカウンターに腰を落ち着けて語り合う。生ビール、泡盛ロック、カップ酒×2、酒もつまみもすいすい進む。すっかりうちとけて話せるようになったのは実はここ最近の話なので、酒の強い年下の頼もしい友人の存在が、今はただ嬉しい。終電に座って寝て帰って、自転車をこいだら思いっきり蛇行。酔っぱらった。

日曜の朝に幼なじみKから連絡があり、仕事後に待ち合わせてスーパーで酒とつまみと焼き鳥など買い込み、公園のベンチに並んで座って飲んだ。雨はなんとか持ちこたえたものの、かなり寒い。酔ううちにやがて震えもおさまってつい長居、私は職場の愚痴、Kは幼少時の心の傷などについて語る。付き合いが長く友人というより親戚同士のような我々。記憶って人によって違うのはもちろんだが時間の経過によってさらに育ってゆくものなのだな、などと思う。350ml缶×3。昨日の今日でさすがにそんなに飲めない。

翌日の休みは弱りきって過ごした。そんな日々でした。