先生たちの話

心にある癒す力治る力 (心理療法の現場から (下))

心にある癒す力治る力 (心理療法の現場から (下))

今週は、5日中4日も苦手なお局様と一緒の遅番で、散々だった。昼休憩中、顔をずっと付き合わせているのが嫌で、なにか心の安らぐ本でも探しに行こう、そうだ河合先生の本にしよう、と思って書架であれこれ手にとって見つけてきたのがこの本。さらっと読めて面白くて、すっかり引き込まれて上下巻あっという間に読み終えてしまった。河合先生と心理療法家の方々との対談形式で、様々な事例がわかりやすい言葉で語られている。人の心の奥深さがうかがえて実に興味深い。オススメです。お局様のおかげで面白い本を読めてよかった、ということで。
本筋とはあまり関係ないけど、思わず笑ってしまったところ。河合先生のユーモアあふれる語り口が素敵です。

がんというものは、すごく不思議な病気じゃないでしょうか。まだほんとのことはわからない。非常に不思議なことが起こることの多い病気ですね。(中略)この人は、医者が言っているよりものかなり長生きするだろうとその先生が予言した人ですが、その人が、「私はもうだめですから、最後に妻と一緒に世界一周して、楽しむだけ楽しんで、それから死にます」と言って出かけていった。ところが、世界一周して帰ってきたら、がんが退縮していた。ただ、その先生は言いましたよ、「世界一周したらがんが治るというものではない」って(笑)