夏の夕空
忙しかったり体調や天気がよくなかったりで、もう半月ほど楽器を吹いていなかったので、風邪もほとんど治ったことだし久しぶりに練習しようと思い立ち、早番のあと百円の缶チューハイを買って河原に直行した。蚊とか暑さとか心配していたけど、杞憂だった。少しだけ酔って、河原に勢いよく繁茂する夏の緑に囲まれて、好きに音を出すのはとても楽しかったし、何より、空いっぱいに広がって刻々と移り行く夕やけに、胸のすく思い。そして家に帰ったら仙台に住む弟から笹かまぼこ詰め合わせが送られてきていて、発泡酒と共にかじりつく。言うことなし。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2005/12/10
- メディア: 単行本
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