事件

犯人近影

深夜に起き出してライブのことを思い出しながら文章を書いた。アイスコーヒーをちびちび飲みながら。音楽をかけながら書き始めることが多いけど、すぐに耳に入ってこなくなり、気づいたら音楽が止んで静かになっている。たったこれだけの文章を書くのにどれだけの時間と労力をかけてるんだ、といつも情けなく思うけど、それが自分なので仕方がない。
ほぼ書き終えてぼーっと見直していた明け方、ばたばたと騒がしい音とつんざくような甲高い鳴き声に、何事かと思って部屋の外の様子を見ると、ネコ2匹が走りまわっていて、よく見るとミケがくわえているのは、鳥?慌ててミケを抱きかかえて取り上げようとしたけれど、かたく歯をくいしばって一向に開こうとしない。しばらく格闘するうちに、ふと気が緩んだのかふいに口を開けたので、ようやくつかまえたのは巣立ってまだ間もないであろうスズメのひな。静かなのでぎょっとしつつ明るくなったベランダに行って見ると、まん丸な目できょとんとした様子、まだ恐怖を認識できないほど幼いのか、安心したのかはわからなかったけど、とりあえず目立った外傷はないようでほっとした。あまりに愛らしくて手にとったまましばらく眺めていたかったけど、そうもいかないので、手を開いたらすぐに団地の前のクスノキに向かってしっかりと飛んでいった。よかった。
ミケが鳥をつかまえたのは多分はじめてで、ほめるべきか叱るべきか判断がつかない。そして鳥は必死で助けるのにセミには慣れてしまって平気で見殺しにする自分の身勝手さ。
そんな月曜の朝のはじまり。今日は一日ゆっくり過ごそう。