MIND THE GAP

真夏の河原にて

職場に毎日決まった時間に巡回にやってくるボランティアらしき警備の人らがいて、腰が低いようでいてどこか高圧的な「正しいことしてます」って態度がどうも気にくわねーんだよなーという話を友だちにした翌日、「いてくれるだけでやっぱり違うわよね」と職場のおばさまが噂しているのを耳にして、内心おどろく。本当にそう思ってる人もいるんだな、というか、おそらくそっちの方が多数派なのかも。いざってときには何の役にも立ちゃしねーよ、なんてひそかに思ってるとは、もちろん口には出しません。昨日はお局様が「今日から彼岸の入りですよね」「暑さ寒さも彼岸までって言いますよね」と絵に描いたような世間話をしていて、そつがないったらありゃしない、と感心。そりゃわたしだって人並みに世間話もするけれど、そこまではなかなか。世間とは一体・・・と思って遠い目。いいんだ、今日は待ちに待ったモールス祭りだもんね!

ロック母

ロック母

はじめにあとがきを読んだので、そんなにも拙い小説なのかしら、と思って読んだデビュー作がかなり好きな感じで、かえって驚いた。角田さんの小説によく見られる、なんというか、えぐ味の強さがなくて(この本でいうと「カノジョ」「父のボール」に顕著な感じ)、病んではいるんだけどどこかさっぱりした印象。「緑の鼠の糞」は他とちょっと毛色が違って、シュールな短編映画みたいでよかった。「ロック母」、圧巻。こんなん書けるのはたしかにこの人しかいないよなーと思わされる。「イリの結婚式」も好き。全体的に、読みごたえがあって面白かったです。