職業的勘のようなもの
仕事でいつも、書棚に並んだ膨大な数の本の背表紙を目にしているものだから、最近は、タイトルから日本の小説とそれ以外との見分けがつくようになってきた。タイトルを記憶したということではなくて(それもあるけど)、言葉の雰囲気で、小説に込められた思いの余韻みたいなものが漠然と感じ取れる、というか。端的に言うと、どこか思わせぶり。だから例えば、ある著者の小説の並びに同じ著者のエッセイが混じっていると、反射的に違和感を覚えたりする。わたしは本を並べたり整理したりするのに人より時間がかかる質なんだけど、たしかに、そんなことに気を取られてたら遅いはずだと思う(単に上の空なだけかもしれない)。見ようと思って見てるわけじゃないんだけど。言葉ってやっぱり面白い。
- 作者: 中桐雅夫
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 1979/01
- メディア: 単行本
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まだ三分もたっていません、
ゆで卵もまだできないのに、
もう我慢できなくなるでしょう、
きっと音を出したくなるでしょう。
やがて別れてみんなひとりになる、
早春の夜風がみんなの頬をなでていく、
酔いがさめてきて寂しくなる、
煙草の空箱や小石をけとばしてみる。
子供の頃は詩人って遠い存在だと思ってたし、そうでない普通の人が詩を書くのはひどく恥ずかしいことだと思ってたのに、まさか大人になった自分がたまにこそこそとその真似事をしようとは(こそこそするのは今でもやっぱり恥ずかしいから)。人生ってわからない。
- 作者: 山川直人
- 出版社/メーカー: エンターブレイン(角川GP)
- 発売日: 2007/04/25
- メディア: コミック
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