「裏側の月」


欠けた月追いかけて歩く
君のこと考えてた
ポケットに探り当てたのは
冷たい月の欠片


いつからか僕ら互いを
映し出す背中合わせに


声 届かない 伝えたい 物語 ひそかに


傾いた月の裏側に
やわらかな雨が降る
宵闇に溶け出した心
頼りなくまたたいた


重ならない答え合わせ
埋まらない隙間たどって


闇に浮かぶ月の引力に
とらわれた君と僕はどこへ帰ろう


傾いた月がついてくる
懐かしい声を聞く


音 聞こえない 物語 届けたい 静かに