おわかれ
新しく車を買うことになって(親が)
なじみの深緑色のマーチとさよならした
12時に車屋が来るけどその前にあんた乗ったら?
と午前10時頃母に言われて、
そうしようかなーなんて気のない声で返事をした休日の私は
ふいに涙がこぼれそうになるのをぐっとこらえた
台所の窓からのぞく晴れ空や色づいた木々がまぶしくて悲しかった
駐車場で写真を数枚撮ってから
どこへ行くあてもないので駅前のツタヤへ向かう
街路樹のケヤキが見事に紅葉していた
残されたわずかな時間と
狭くて親密ないつもの空間をいとおしむように
ゆっくり運転した
日常は続いていくから
新しい車にもきっとすぐに慣れるだろうけど
たくさんの時間を一緒に過ごしてくれたこと
ありがとう
お元気で