2003-01-01から1年間の記事一覧

日ようの午後

晴れのち曇りがよく似合う 甘いものでも食べて ラジオなんかつけて 寝っころがって本でも読もう 眠くなったらそのまま昼寝 犬はしたり顔 猫は知らん顔 いつもとは違う時計が時を刻む ちょっとつまらないくらいでちょうどいい

3時17分

バイト早退して上り電車を待つ駅のホーム ぼんやり曇った空の下 自販機で買ったホットミルクティーの甘さ温かさに じんわり気もちがゆるんだ

深夜メモ

慌ただしく家を出て ふと見上げた青空に 白い月が浮かんでいると 一瞬 何だかたまらないような 心がしんとするような 気もちになる 昨日シロフクロウの出てくる夢を見た 私の平穏はいつ果てるともしれない不確かな基盤の上にかろうじて成り立っている脆弱な…

十月のブルー

気温がぐんと低くなって 空気が乾いて澄んだようになって 空は高くなって 青くなって 紅葉の手前の しんと静まりかえった季節 今にも時が止まりそうな錯覚をおぼえる それはどこか死の気配に似ている しんとした青に心がのみこまれてしまいそうだ

オータム・メランコリー

仕事のあと 夜ごはんを早目にすませて歯医者へ行った 帰り道 十月の冷たい雨に降られ 閑散とした小さな商店街を さえない気分で傘さしてとぼとぼ歩く 店じまい間近の八百屋の店頭に 黄色と緑のまだら模様の 小粒のミカンが光ってた 先週は同じところに紅玉が…

一昨々日

平日に休みをとって久しぶりに銭湯へ行った 車に乗って一人で行った 寝不足でぼんやりしたまま もっとぼんやりしに行った ひろびろとした湯につかって 空やカラスや木々の緑をただ眺めたり 裸の女のひとたち 老いも若きもとりどりに 見ているうち 自分すら外…

ありふれたふしあわせはしあわせのうらがえし

ほんとに好きできちんとつき合った相手とは たとえ恋は冷めても図らずも育ってしまった関係性のせいでたやすく離れられない、 そんなよくある状況をこの歳になってようやく身をもって知る それってそんなに悪いことでもないんだろうな 大人になりきれない私…

それでも

かわいた手のぬくもりにつつまれて 気もちのどこかが ほんわりとあたたかくなるのも たしかなのであって きっとまだうしなえない

凪と波、海岸線のようなところ

2人のあいだでゆるゆる育ちゆく気もちの隔たりを なんとなく受け流しつつ 日々は淡々と過ぎゆく けれども 単純に淋しくなったり、自分のエゴに嫌気がさしたり、来し方を後悔したり、 そんなとき ふいに波に足元をすくわれたみたいになる やけに心もとない …

秋の夕空

バイト帰り 東の空に大きく広がった雲はピンク色に染まり 地平近くにわきあがった雲は真っ白 高い空はあせた青 三色のコントラストがそれはもう見事で オーロラにも負けないくらいじゃないかと思った 細い三日月が白く薄く光ってた

空のこと

いつだって空を見上げてそこに青空や雲や月や星なんかを確認するとほっとする 窓や建物に切り取られた小さい欠片でも構わない 人工物に取り囲まれた日々の暮らしのなか 視覚をつうじてかろうじて天然を呼吸する 水面で口をぱくぱくする酸素不足のサカナのよ…

しのしの

長く続いた夏の名残はしかし唐突に過ぎ去り うすら寒い秋の気配はつめたい雨と共に全身にまとわりつくよう しゅう雨はしのしのとやさしく降る だのに何だかくたびれた気分 買ったばかりの折りたたみ傘さして薄闇の中とぼとぼ歩く

昨日のこと

焼きつけるよな強い陽射し やすみやすみ鳴くツクツクホーシ きわめつけは空の際に立ち上る入道雲の群れ 冷やしごまだれうどんをちゅるちゅると食す 先月よりよほど夏らしい 九月の連休、昼下がり

光ってみえるもの、あれは

これのどこが「みずみずしい家族小説」やねん! だまされたー。 大まじめにふざけた話だ、と私は思った。大マジメにふざけていて、でも真面目な小説。 くすくすと(あるいはもっと声を上げて)笑いながら読んでいる途中。 よい意味で予想を裏切られたけど、…

祈りと呪い

先週ようやく「少年カフカ」を読み終えた。気になるところに色えんぴつで線を引きながら読んだ。ちょっと学生みたいな気分で楽しかった。それにしてもとんでもない分量の本であった。「親が子供に与える祈りと呪いというのは、ある部分ではくっついているの…

うわごと

セミの声 子供らの歓声 風鈴の音 レースの白いカーテンがわずかに揺れる うすぐらい日中の室内 コンクリに照りつける陽射し にごった空の色 ぬるい空気 汗ばんだ肌 タオルケットの感触 冷たい麦茶をごくごくと飲み干す 汗をかいたグラス 期待 倦怠 帰りたい …

ゆきどまりの風景

ふと目覚めてベッドから身を起こすとはげしく頭痛がして 2リットルのペットボトルのウーロン茶をガラスのコップに注いで 一気に2杯飲み干した 窓の戸をすこしあけて外の様子をうかがうと 池袋の裏通りが昨夜からの雨に濡れていた 人通りの絶えたうす暗い早…

センパイのうちにお呼ばれ。 公務員住宅の二階、部屋の中はきれいにきちんと整えられていて、窓からの見晴らしが良くて、とてもすてきだった。旦那さんのお話を伺いつつひたすら飲み食い。台風一過の夕空を満喫。停電、花火あり。 緊張したけど、楽しかった…

夢日記

ここ2〜3日よく寝てるのに疲れている。たぶん天候のせい。体だけ一足先に秋モードになってしまったみたいで、気もちが変に沈んでいて、のどの奥の方に涙の固まりがつかえているよう。何かの拍子に泣き出しそうだ。なので今日はバイトを休むことにした。情…

休日、窓の外

布団に寝そべり 本を少し読んでは休んで顔を上げる 窓の外をぼんやり眺めたり、眠ったり CDを何枚も何枚も聴いた 明けない梅雨、休息と音楽と読書、夏の空の下 ちょっとさみしくて薄暗くて心安らかで 時の流れがやさしかった 厚くたれこめた雲の合間にのぞ…

音風景

午前10時 さわやかな初夏の気候は 5月のようでもなく 本格的な夏のようでもなく 梅雨のあいま、七夕の直前にふさわしい おだやかな風は 窓のすぐ外に干された洗濯物をはためかし 木の葉を揺らし 隣家に吊された風鈴を鳴らす ガラスの風鈴のとぎれとぎれの…

空気のつめたい夜

音楽をかけてぼんやりと時を過ごした 気もちが弱ると女性ボーカルが聞きたくなる 耳を通して心にじんわりしみる より切なくなったので友だちに電話をかけた すこし寝て起きたばかりだという彼女の声は いつもよりまるくやわらかで まるで半分夢の中にいるみ…

ココロ迷走中

「だけどこんなに胸が痛むのは なんの花にたとえられましょう」 と頭のなかで歌いながら ほんとに胸が痛かったよ今日。 どうかしてる。

スウィーツ・ジャンキー

あの人のやさしさはたまにうっとうしくて あまいものができかけのむし歯にしみるよう でもたぶんなくなったらとても困る 甘やかされることに慣れきったワガママな子供みたい

梅雨、夕方、雨上がり

降りに降った雨は唐突に止んで 外は明るくなり 雲の切れ目からのぞいた青空は 胸のすくような 甘いような 色で 歩きながら見上げたら目が離せなくなった 総天然色の蒼いあおい空。 そこいらの花や緑も まるで何かの冗談みたいにそろいもそろって色鮮やかで …

夜の水槽

雨は小降りになってきた夜ふけ。 湿度はやたら高そうで、 空気中の水分に手でさわれそうなほどだ。 暑くも寒くもなく、アジアと呼ぶには穏やかすぎる、この気候。 梅雨だなあ、としみじみ。 適温の水槽の中にいるみたい。 そう、蛍光灯に照らされて泳ぐ魚み…

今日は一滴も飲んでないぞ。やればできるじゃないか! でも明日は友だちと飲みに行く約束をしたのです。ふはは。 日記やら言葉やらが頭の中でうまくまとまらない。形にならない。 時間ばかりが経っていく。イライラする。 雨のせいか、生理まえだからか。 昔…

ねたみ?

自分に持っていないものを持っている人がうらやましくていじけた気もちになることがこのところよくある。 でも今のところそんな気もちの自分を突き放して眺められるから大丈夫。だと思う。 「せっかく生まれてきたんだから。 いろんなことをしよう。おかしい…

夏の手前の夜

酔っぱらってぱたんと寝て起きたら、風が木の葉を揺らす音が聞こえたので、ベランダに出てみた。梅雨を忘れるようなすずしい風が吹いている。空を見上げる。ところどころ空がのぞいた曇り空。はげしく雲が流れている。月は見えず。目の前の道路を親猫と子猫…

自分と世界とがつながっていることを しょっちゅう見失ってしまうから しっかり地に足をつけて生活している人に憧れる まじめに生きている人の言葉は清潔な香りがする わたしもいつかそうありたい